コラム

これから対応すべきSS業界の具体策

1.最悪なシナリオでまずは、5年先までの事業計画を作成する。

  油益を「毎年5%減」と試算して、5年後に25%減になる最悪なシナリオで、

現在の事業収益を維持できる計画を作成されてみてはいかがでしょうか?

  油益減収分をどうすれば、今、持っている商材である「車販・車検・鈑金・コーテ

  ィング・自動車保険収益・その他」でどれくらい伸ばすことができれば、補填する

  事ができるかの立案が肝要です。ビジネスは「最悪シナリオ」からの思考のスター

トが重要です。

  「SS業界の潮流」で書いたサイドビジネスは、今からやれるのであれば、考えら

  れてもよろしいですが、事業計画と切り離して考えてください。

  一歩間違えれば自殺行為になる恐れがあります。 

2.策定した事業計画案を幹部、各所長の皆様と共有し、具体策を練り上げてください。

  「社員が不安になる」など怖がっている場合ではありません。一緒にやらなければ、

  存続が危ない事を共有する事です。そして、最悪のシナリオの事業計画に基づいて、

  各商材の毎年の目標数を決め、どうやって達成するか議論を行うのです。これができ

  ないと結果は生まれないと考えます。

3.具体策

  ①車販強化策

   法令が変わり、スタンドに車を並べる事ができるようになりましたが、

   新車でかつ売れ筋の軽自動車を各店舗に最低3台以上並べていますでしょうか?

   並べていなければ、まずは並べてください。さらに「のぼり」は、支給されたあり

   きたりなものばかりが非常に多いですが、のぼり業者に依頼して、オリジナルの

   「のぼり」を作成してください。

   イメージは、F1レースの「フラッグ」のような大きくかつカッコよく、色合いも

   目立つようにブランディングしてください。

   のぼりは、車検などにも非常に有効で、「新車の軽を買うなら弊社が一番安い」

   「ご希望の中古車を当店がお探しします」「車検が安い」「1日〇〇円レンタカー

を始めました」「キズ・凹みのご相談は当店へ」などが参考事例です。

   作成コストは、非常に安いのでご安心してください。

   ここで大切な事は、そもそも一般ユーザーはSSで車を買わない、売っている事も

   知らないということです。だから、店舗ブランディングするのです。

   そして、「車を販売している」という事を全お客様にアナウンスしてください。

  ②車検強化策

   車検は、新規増+リピート率向上で伸びます。弊社のお客様では、400台の車検

   台数が4年で2500台を超えました。これを凄いとは弊社は思いません。

   やる事をやれば確実に車検台数は伸びます。やっていないだけの事だと考えます。

   まずは、車検予約イベントはやってみてください。コロナ禍の時代でありますが、

   「3密」を避けながらの工夫が必要です。

   客寄せ手段は、「オイル1㍑100円イベント」を毎月開催し、オイル交換に来店

   された方に対して、車検新規予約を大量に獲得するやり方です。

   最初は、広告などの費用をかけずに、大きな立て看板からスタートして、イベント

   手法を磨き上げてください。この手法はある大手車検フランチャイズチェーンの

   やり方です。

   また、リピート率向上は、6・12・18点検の入庫率促進が大きく影響します。

   基本は、「無料」がいいですが、12点のみ有料など工夫して来店数を上げる事が

   重要です。

   さらに、お客様に定期点検の重要性をしっかり理解できる話力を磨いて、最低でも

   各点検50%の入庫率を目指してください。高ければ高い程、リピート率に影響し

   ます。

  ③鈑金強化策 

   フランチャイズチェーンに加盟して事業者もあると思いますが、看板だけで入庫が

   増えていますでしょうか? 基本は給油ユーザーを含めての既存ユーザーが対象

   ですので、日頃から書面で「キズ、凹みも当店へ」としっかりとアプローチする事

   が大切です。

   また、事故に遭ったお客様が自社入庫されていますでしょうか?普通は保険会社様

   の誘導で提携している他業者に持っていかれています。この現状を打破しないと

   入庫は増えません。お客様に「事故、キズ・凹みにできたらこのお店に連絡すると

   メリットがある」事を書面を使って、お客様の「頭に植え付ける」必要があります。

   ④コーティング強化先

   増えれば利益を生みますが、新車は購入したディーラーなどで奨められ、ライバル社

   も非常に多い。

   さらには、「SS店でコーティングするのは大丈夫か?」という顧客の先入観もあり

   ます。

   また、本来コーティングはメンテナンスと一体になった説明が大切ですが、

   「やりっぱなし」が多いと感じております。

   私も、ユーザーとして、社有車に高めのガラスコーティングをしていますが、メンテ

   ナンスの連絡など一度も来ない。まさしく、「やりっぱなし」です。

   しかし、コーティングしているので、もう4年経過しますが、水洗い洗車で十分で

   あり、光沢がまだまだあるので、やって良かったと思います。

   ただ、年数を経過すると水垢がとれません。この点は唯一の悩みであり、一般ユーザーも

   同様ではないでしょうか?

   「やりっぱなし」ではなく、しっかりメンテナンスの説明を行い、メンテナンス管理が

   できている店は、利益を生みます。読者のお店はこの基本行動ができていますでしょうか?

  ⑤自動車保険収益強化

   例えば、毎年100件の新規を獲得したら、5年後にはいくらのキャッシュになるかご存

   知でしょうか?1件当たり手数料が約20,000円ですので、5年後には、約1000万円の

   キャッシュが現金としてある事を意味します。

   しかし、積極的にやっているSS事業者は非常に少ない。契約時にしっかりした契約内容

   にすれば、毎年、ほとんど何もしないで車検1台の粗利と同じくらいという事です。

   SS店舗にお客はついているので、各店舗の社員を訓練すれば、店舗数によっては、

   100件どころではありません。

   実例で申し上げると弊社クライアントで車検専門店があります。

   車検台数は現在、2500台で弊社がさらに伸ばさせています。同社は、車検がメイン

   ですが、フロント社員3名で毎年400件以上の自動車保険の新規件数を上げております。

   契約頂いて4年目の現時点で3000万円以上のキャッシュを確保されています。

   5年目以降も増え続けていきます。

   1SSで、自動車保険収益だけで3000万。さらに伸びるとしたらどのようにお感じ

   になりますでしょうか?「油益危機の救世主ではないでしょうか?」 

   しかし、難易度が高く、簡単に利益を上げる事は無理です。確立した社員教育が必要に

   なります。

  ⑥LINE@の超積極活用 

   今もあるとは思いますが、元売り各社のシステムでショートメールし、お客様にアナウンス

   する手法がありましたが、今は多くのSS事業者がエンドユーザーに「LINE@登録すれば

   〇円引き」などニンジンをぶらさげてLINE登録させ、給油促進を図っています。

   弊社は4年前からLINEの活用が重要と考え、お客様に登録の促進、各種アナウンスの文面

   指導、車検予約サイトとの連携提案など行って、成果を出して参りました。

   〇まず1点目は、LINE@は「BtoC」(SS店舗とお客様の相互交流)に

   なっていますか?一方通行なら修正されてください。

   〇2点目は、お客様の登録を顧客データと確認できるように個人名に変更されていますか?

   むやみに登録だけされていませんでしょうか?

   〇3点目は、登録数は1店舗あたり最低2000件を超えていますか? 

   登録数は、1000件から効果生むと言われております。最低2000件以上ないと効果は

   出ません。

   〇4点目は、「〇日~〇日はLINE会員なんと〇円引き」と値引きと給油集客だけに使って

   いませんか?

   弊社のお客様には、「値上がり、値下がり」する時期もアナウンスするようにさせています。

   これは顧客への思いやりです。信頼・信用につながります。

   弊社のお客様以外も全国の有名なSS事業者もLINE@登録して見ておりますが、全くされ

   ていない。手法が単純すぎます。また、車販イベント、車検・オイルイベントなど企画して

   案内している事業者は弊社のお客様以外にほとんどない事も残念に思います。

  「我々は油屋だ」という事を昔ある経営者に聞いた事がありますが、もう「油屋だけでは食って

   いけない」時期が迫っている事を経営者はご理解されないと大変な事になります。

  これからロイヤルカスタマー(生涯顧客)作りが大切であり、「絶対ここの店でしか給油の他

全てのメンテナンスはしない」というお客様を増やす必要があります。その為には「卓越した

  人財育成」が最重要課題であります。

  自動車業界のなかでも、顧客接点の多いSS業界にはアドバンテージがあり、油外収益の伸び

  しろは必ずあります。しかし、うちの社員は勉強が嫌い、これ以上の負担をかけられないと

  経営者が教育を諦めていませんでしょうか?

  弊社なら、社員の意識変革、話力訓練で必ず成長させることができます。近い将来の危機を

  踏まえれば、“物を言える”外部コンサルに育成を頼む時代ではないでしょうか。

  会社、働く社員の皆様の未来のためご一緒に頑張りましょう!

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