コラム

「カーボンニュートラル2050」が映し出す自動車業界の危機

自検協のデータを参考に分析した令和2年度における日本における

自動車保有台数 :81,849,782台

HV自動車台数 : 9,326,574台  (シェア11.3%)

EV自動車台数 :  119,159台 (シェア 0.1%)

使用年数:13.51年 

これが現在の状況である。今日、車販売状況は、毎月EV車は対前年10%増、

HV自動車は40%増と急激に販売台数を伸ばしているが、それでもHV車は

やっと10%を超えてきた状況。EV車にいたっては、全国に充電装置が増え

てきていても1%も満たない状況である。

これが、全世界で取り組む「カーボンニュートラル2050」によって加速度的

に増加していくことになる。そして、これから日本における少子高齢化が本格化

する時期を迎える。

10年~15年後にどのような予測値になるかは、正確には、出せないものの、

私が親交のあるアナリスト、自動車業界マスコミ関係者、自動車ジャーナリスト

などの話を総合すると下記のような危機が訪れてくると考えられる。

まず 第一にガソリン等の給油減少が起こる。2035年には半減するとの予測。

経済産業省の調べでは、現在でも年々2%程度落ち込んできているが、今後は、

HV自動車の急激な増加、EV自動車の販売強化、少子高齢化の影響で急激に

落ち込むことが確実視されている。

予測では、2030年には25%減、2035年には半減すると予測するアナリスト

もいる。

次に車検である。

車検は基本工賃に加え、部品交換時の工賃で利益を出しているが、HV自動車の車検

は交換部品が少ない。例えば、ブレーキオイル、タイミングベルト、ブレーキパッド

など「NO」HV車ならば通常交換が必要な部品が不要となると自動車関連事業者

経営者様からも聞く。粗利益は、どれだけ減少するのかを複数の事業者様に

ヒアリングすると30%~50%は減収すると聞いている。

EV車ともなると交換部品がほとんどなくなるので、50%以上どころではない大幅

減収になると聞いている。

自動車業界における給油ビジネス、車検ビジネスが近い将来、非常に厳しい状況に

陥る可能性は否定できない状況になってきている。

新車販売

最近になりEV車の投入を外国メーカーも含め各メーカーが発表しており、

トラックなども含めて、販売の加速が進むと予測される。

HV車も「カーボンニュートラル2050」に日本政府は適合すると言っているので、

さらに拡大し、乗車車の50%強を占める軽自動車まで拡大していくものと予測される。

加え、中国そして、テスラ、アップル、ソニー、出光興産など異業種もEVに参入を

発表している中、大競争時代に陥るものと予想される。

EV車の課題は、電池の性能の向上と急速充電装置の全国配備、走行距離であるが、

間違いなく、近い時期に解決されるものとなる。

自動車業界、特に地域で頑張ってこられている事業者様は、真剣に考える時期に来て

いると弊社は考える。大競争社会の中、知恵を絞り、既成概念を払拭し、車販・車検

をさらに拡大させるために何をすればよいのか?を考えなければならない。

そして、厳しい状況下でも事業を安定されるためには、キャッシュ(現金)が必要。

キャッシュ(現金)を何で生ませていくのか?を考える時期とも考える。

弊社は、「キャッシュ」を異次元の世界で、自動車保険収益で生み出すことを提案

したい。

そのためには、働く社員の皆様の「人間力」の各段の向上、組織の体制強化が必要

になる。簡単に収益を上げる事はできない。自動車保険は、レベル4の自動運転車

が日本全国に普及するまではなくならない。なくなるまでには、相当な年数を要する。

今、強烈に強化すべき時期ではないかと考える。

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